知っておきたい高齢者の特性

介護は、尊重と理解が必要になる重要な仕事です。高齢者の特性を理解することで、より良い介護が提供できるようになります。介護を提供する上で知っておきたい高齢者の特性について考えてみましょう。

まず、認知機能の変化について知ることが重要です。認知症の高齢者は日常的なコミュニケーションが難しくなることがありますので、細やかな気配りと耐性が求められます。
落ち着いたトーンで話しかけ、ゆっくりとコミュニケーションをとることが大切です。

身体的な変化も、理解する必要があります。高齢者の身体は柔軟性や筋力が低下しやすく、動作が制限されることがあります。介護職は慎重に体位変換や移動のサポートを行い、転倒予防にも気を配りながら柔軟な対応と注意深いケアに努めなければなりません。

社会的な要因にも配慮が必要です。友人や家族の喪失、孤独感なども影響を及ぼすことがあります。コミュニケーションを通じて気配りや共感を示し、心のケアもおろそかにせず、安心感を提供することが肝要です。

栄養と食事にも留意しましょう。高齢者の食欲は変動しやすく、栄養バランスが取りにくくなることがあります。バラエティ豊かな食事を提供し、摂取量に気を配ることで、健康状態の維持を図りましょう。

食事介助を行うときも、高齢者とコミュニケーションを図る良い機会になります。メニューの説明をしたり「食事の時間ですよ」「美味しいですね」など積極的に声を掛け、会話する機会を増やすようにします。高齢者は自分の気持ちや意志をうまく伝えることが難しくなることがあります。言葉だけでなく、表情や仕草からも意図を汲み取り、細やかなコミュニケーションをとることが重要です。

グループホームでの仕事とは?

介護職の仕事にはさまざまなものがあります。どこの施設で働くのか、どのような目的で介護するのかによって、業務内容は大きく異なってきます。

今回、その中の一つとして紹介したいのがグループホーム

グループホームとは、認知症の高齢者が5人から9人集まったグループで共同生活をし、その中で介護サービスを提供する施設のことです。
特に、認知症に加えて病気や障害などで在宅で生活することが困難な人が多く利用しています。

グループホームでの仕事内容は料理、洗濯、掃除などの生活援助、食事、排泄、入浴といった身体介助、要介護者の健康管理などです。
これらは必ずしも介護職員から一方的に行うものではなくて、利用者も一緒に食事や入浴の準備をして、できるだけ一般の家庭生活を送っているように過ごします。そうして認知症の利用者が自分のホームとしての場所や役割を認識するようになるのです。
そしてときにはレクリエーションを企画して要介護者と一緒になって参加することもあります。

さらに、グループホームは、利用者が常にいるわけではなく短期間のみ過ごす人もいれば、デイサービス形式で夕方に自宅に帰っていく人もいます。

グループホームは、認知症の方とのコミュニケーション力を磨ける場所であり、自身の成長を確認できるやりがいを感じられる職場です。
利用者と一緒に過ごし、苦楽を共にして大変なこともありますが、この仕事ならではの喜びを感じられるのも事実です。

認知症の方をもっと理解したい方、アットホームな雰囲気で介護をしたい方にとって、最適な場所だといえます。
グループホームに興味がある方はこちらも参考にどうぞ→【グループホームを知ろう